人間は経済発展を進めようとするたびに、環境破壊をひきおこしてきたようです。
幸せになろうと努力した結果、逆に自分たちの首をしめてしまうとうのは
皮肉なものです。
日本でも「富国強兵」「殖産興業」と言っていた明治時代に
まず足尾銅山鉱毒事件が問題になり、
「消費は美徳」と言っていた高度経済成長期に
四大公害病の裁判がおこされました。
さて、四大公害病は4つとも知っているでしょうか?
すべて病名と起こった場所・原因物質を挙げてみましょう。
さて、思い出せましたか?
では、四大公害病を説明していきましょう。
1.水俣病(みなまたびょう)
場所は熊本県水俣市が中心となります。
熊本県水俣市の化学肥料工場が、有毒物質であるメチル水銀を
八代海に捨てたことが原因です。
海水→海藻やプランクトン→魚介類→人間
というふうに、食物連鎖を進むほどメチル水銀の濃度は高まってゆき、
人間に到達したところで致死的な濃度となりました。
メチル水銀(有機水銀)は人間の神経を破壊していきます。
これによって目が見えなくなったり、歩けなくなったり、
最後には命を失ってしまうこともあったのです。
2.新潟水俣病
これも1.と基本的には同じですね。
汚染された場所は新潟県の越後平野を流れる阿賀野川です。
福島県猪苗代湖を水源とする阿賀野川ですね。
3.イタイイタイ病
名前には軽いイメージがありますが、実際には残酷な公害病です。
場所は富山県を流れる神通川(じんずうがわ)流域です。
かつて上流の岐阜県にあった神岡(かみおか)鉱山が、
有毒物質であるカドミウムをこの川に捨てたのが原因となりました。
こちらは水俣病のように魚介類を汚染したのではなく、
神通川の水を水田のかんがい用水としていたため、
米が汚染されてしまったわけです。
そのお米を食べた人はどんな症状に苦しんだかと言いますと、
骨が極度に弱くなってしまいました。
くしゃみをすると肋骨(ろっこつ)が折れ、
お医者さんが脈をとろうと患者さんの手首を持ったら手首が折れる、
というほどひどかったようです。
治らない骨折の激痛に、死ぬまで苦しめられると想像してみてください。
4.四日市ぜんそく
場所は三重県四日市市です。
地理で習ったとは思いますけど、中京工業地域で石油化学工業の盛んな都市ですね。
ということで石油化学コンビナートが原因となってしまいました。
石油化学コンビナートから排出された亜硫酸ガスが大気を汚染しました。
その空気を呼吸して生活しなければならなかった人々が
次々とぜんそくの発作に襲われました。
ぜんそくとは、呼吸器(気管や肺)を侵され、
呼吸困難になってしまう苦しい病気です。
特に体力的に劣る子供やお年寄りの被害がひどかったということです。
四大公害裁判はいずれも被害者側の勝訴となりました。
しかし、裁判で勝って賠償金を得たとしても、
亡くなった人の命が戻るわけではありません。
以来日本は、同じようなことを繰り返さないように
最大限の努力をしてきたのでしょうか?
どうやらそうとも言えないようですね。
お金もうけを優先して、人の命が軽んぜられる例は珍しくないようです。

